Yokoyama Yu
illustrator / art director / graphic designer
1988 born in Tokyo, Japan.
2010 graduated from Kuwasawa Design School.
I'm making illustrations and graphic designs.
mail. mail@yokoyamaanata.com
twitter. @yokoyamaanata

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(C) Yokoyama Yu.

イルボン×横山雄 「テアトル百四十字」


大阪のyolchaで二人展をします
イルボンさんの140字の詩に、わたしは挿絵ならぬ挿立体を添えて展示いたします 11/5-7は在廊予定です。
いろいろ思い入れ多く、今回珍しくステイトメントを書きました。



『創作の家路』

横山雄

私はデザイナーあるいはイラストレーターですが、この度は立体造形を制作して展示しております。その経緯は、紆余曲折とまでいかぬ小さな曲がり道でした。

2年前にわたしは東京で初めて展示をしました。その時は特に仕事のことも考えず、自分が良いと思って描いたものをそのまま飾っていました。漫画や絵画から入った人間ですが、デザインの勉強をし、そういった職に就きながらもずっと絵が好きでしたので、イラストレーターとして仕事がしたいとは思っていました。しかし80年代回顧やミニマルなイラストレーションのような今の時代に則した絵を描くこととどうも馬が合わなかったので、その時は無自覚で漠然と「芸術という文化をイラストレーターの領域に持ち込んで描けたら、それを汲み取ってくれる人の目に止まってくれるだろう」と思っていました。
ですが実際のところ中々それでは仕事にはなりませんでした。その返信として去年の個展で「絵は仕事として使いやすいものに調節した上で、それをデザインで使用してレイアウトしてもらったパッケージまでを全て絵にしてしまおう」という展示をしました。それは随分評判が良く、賞や仕事にも繋がることになりました。しかし一つ重要な欠点がありました。イラストレーションとして絵が使用され始めると、一つのメタ要素によって構成されていた作品群は普通のイラストレーションと変わりなくなってしまいました。イラストレーションの仕事は大変ありがたいことです、実のところデザインの仕事よりも心の負担もなく、そして大切に扱われてお仕事をいただいているのを感じます。(それは、デザインの方が必要性から生じる仕事が多いからかもしれません)しかしこのバランスでイラストレーターになってゆくことに疑問を感じる矛盾を抱えることになりました。

そんなタイミングにイルボンさんより二人展のお誘いをいただきました。ギャラリーのオーナーと二人展、しかも立体でありほぼ合作のインスタレーションです。もはや私は何者でもなくなりました。コンセプトや新しい表現への度重なる試作(あるいは思索)から何度も山奥へ逃げようかと思いました。大きく変わる条件の中でも変わらぬ私のものづくりとはなんでしょうか。一から考え直し、私が焦がれていた芸術というものにもう一度立ち返って制作をすることにしました。そして、芸術に焦がれているものがイラストレーションにその文化を持ち込んだという物語に、「しかし、当然ながらそれは一種の贋作であって、そのものになることはできなかった」と続きを添えることにしました。

わたしたちはピカソになれなかった。マティスになれなかった。イブ・クラインになれなかった。ジャコメッティになれなかった。シーレになれなかった。しかしそれでいいのではないでしょうか。クートラスのように紙片を拾っては美しいものに向き合おう。サプールのように堂々と着飾ろう。こんなの似合わないわって言いながら粧し込んで欲しい、きれいだ!と笑って喜び合おう。
そんなためにわたしはものを作っていたのだ、そう思えた時至極まっとうな気がしました。謝肉祭で音楽に乗って踊るように、家庭の中で受け継がれる不細工な刺繍のように、わたしたちはものを作っていれば、それが素晴らしいことだったのですね。文明の成長に合わせて産業革命や芸術の台頭がある中で忘れられていたのは、そんな民芸の感覚ではないでしょうか。

イルボンさんの百四十字の箱庭と同じように、わたしたちの手のひらに戻ってきた芸術もほんの小さなものですが無限の輝きを放っているように思います。
派手な展示ではありませんが、知らない駅で下車をしたようなそんなささやかな楽しみになれば幸いです。



2016.11.5(sat)~11.20(sun)
14:00~20:00 火曜定休
Closed on Tuesdays

詩人のイルボンがtwitterを用いて140字ちょうどの詩を綴るシリーズ「百四十字夜行」。その詩を書き写した原稿用紙をひとつの舞台セットとして捉え、そこに登場人物を配置するようにイラストレーターの横山雄が立体を添えます。140字という限定された言語空間と、シンプルな造形物からイメージされる小さな独白の舞台をご覧ください。

[Opening Event]
11.5(sat)6(sun)
「横山雄の一筆挿絵館」
14:00~20:00(受付19:00まで)
こちらでご用意した140字詰めの用紙へ自由に言葉を埋めていただきます。
あなたの綴った言葉に横山雄がその場で挿絵をつけます。
1枚/¥1,500(+1drink)

http://yolcha.jimdo.com